非正規社員の人生に価値があるのか。

「あんな過去なんてなかったらいいのに」


ずっと心の奥でモヤモヤしていたジメジメした闇の部分。


それは就職支援講師をしていると、時々襲ってくる恐怖。

普段は忘れてるけど、たまに強烈に思い出す恐怖。

いつのまにか、その恐怖を自分に蓋をして隠して。

また思い出して、忘れようとしていたこと。


それは、就職支援をしているのに、

僕自身が非正規で働いていた期間の方が多いこと。

まともに正社員になったのなんて、ほんの2回。


講師業を見渡してみると、

プロフィールには有名大学名、有名企業、受賞歴が並ぶ。


そんなの1つもないよ、僕には。


大学は除籍されたし、

正社員だってすぐ辞めた。一ヶ月で辞めた。

有名企業で働いてたって、結局は一時的な場所。


他にも色んな職を転々としていたし、

資格を取得して自信をつけようと逃げたこともあるし、

離婚もした。


自分にとっては恥じていた過去。

そんな過去を周りに言うなんて、プライドが許さないから、

今まで一回も口にしたことなんてなかった。

それを告白して、人が離れていったら心が耐えられない。


いつの間にか、心の奥の奥の奥の方に閉じ込めて、

なるべく見ないようにして隠した。


でも、見ないようにすればするほど、存在が大きくなっていく。

だから、実は講師業をしていて辛い時があった。

教える資格なんて全くないと思った。

講師として非正規社員だった自分の人生に価値がないとも思った。


自分に嘘をついてるから。

自分の過去を騙しているから。

自分の本心に向かい合おうとしなかったから。


でも、今回伊豆で開催された合宿で、

それを思い切って口に出せる機会があった。

たどたどしいけど、全部思ってたことが言えた。


黒くてドロドロして、ネチャネチャしていた感情。


それを聞いてくれた相手から、

「ふーん、そんなことで悩んでたんだ。」って言葉が返ってきた。

大したことなさそうな顔な。


え!?そんなこと!?

ふーん!?なの。


こっちは3年間悩んでたのに!?











なーんだ!!


そしたらもう。

なんか全てが吹っ切れた。


そしたら、その心の奥にあった黒くてドロドロしていたものは

全部自分のパワーになって返ってきた。

そしたら全てがひっくり返った。

価値観も過去の見方も、感情も。


相手の黒い部分の話も全部聞いた。

そしたら、もらいゲロのようにまた自分の黒い部分も吐き出された。

そうやってどんどん心が軽くなっていった。


認めた瞬間に「武器」ができた。


講師業でこんなにチャランポランな経歴のやつはいない。

でも、大学を除籍になった経験はあるけど、

大学で講義を持つ事ができた!

それだけじゃなくて、大学を辞めたらこうなるよって伝えられる大学講師になった。


非正規期間が長いから、

非正規ならではの葛藤、悔しさ、無力感、倦怠感、気楽さ、焦燥感が手によるようにわかる。

どんな言葉に癒されて、どんな勇気が必要かが分かる。

有名企業、有名大学を出てないからこその自分の魅せ方も伝えられる。

何より、非正規社員に勇気を与えられる存在というポジションが手に入った。

だって僕には痛いほど分かるから!同じ経験をしたから。でも大丈夫!って言える。


実はその汚点や恥だと思っている気持ちをきちんと利用したら、

他の誰にも書けない自己PRが書けることを教えられる。


自分の受け入れたくない部分も、

絶対に向き合いたくない過去も、

結局は全部自分の一部。


本当の武器は自分自身だ。

切り捨ててた半身が融合して、僕はやっと1人の人間になれた気がする。


非正規社員だったからこそ、僕の人生には価値があるんだ。

もう一回、歩き出します。


ありがとう。


エンタメと優しさと革命とちょっとエロい就職講演家、櫻井樹吏サイト。

あなたと僕と為に記事を書きます!

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